【所得控除が苦手なFP受験生必見】所得控除(人的控除)の覚え方

D タックスプランニング

11月はサラリーマンにとって年末調整の季節

年末調整とは、毎月の給料から天引きされている所得税額の年間合計額と実際に納めなければならない所得税額との差額を精算する手続きのことです

これは、会社では把握していない保険料の支払いや家族構成の変更などを調整するものです

この年末調整では、いくつかの書類の提出や情報の提供が求められますが、その1つに家族構成の確認というものがあります

結婚や就職などにより、変化がないかを確認して報告する必要があります

では、なぜこのような確認が必要なのでしょうか

それは、家族構成によっていくつかの異なる所得控除があり、それを反映させるために必要となってくるからです

この控除額が、すべて同じ金額ではないというのが厄介なところです

FP試験の受験生の中にも、そのように感じる人は多いのではないでしょうか

そこで今回は、所得控除の中でも、人的控除というものについて、どうやって覚えていけばよいのかを考えてみました

所得税の所得控除の意義

所得控除とは、所得税額を算出する際に、所得から一定の金額を差し引くことです

家庭の事情や個人の事情を加味することで、税額を計算する元となる所得が減らされて、その分所得税も少なくなります

これは、納税者の税負担を軽減しようとするものです

所得控除には、人的控除その他の控除の2種類があります

このうち人的控除は、本人、配偶者、扶養親族など、人に関する控除項目であり、様々な種類が存在します

この特に厄介な人的控除について、以下で解説していきます

所得控除(人的控除)の種類

人的控除は、基礎的な人的控除特別な人的控除の2種類に分類されます

基礎的な人的控除の項目は、基礎的というだけあって、ほとんどの人に該当してくるものです

しかし基礎的と言いつつも、種類が結構あるので覚えるのは大変です

特別な人的控除は、それぞれが特定の家族構成のケースなので、自分に該当するものがあるときは、そこだけ興味を持って覚えれば良い程度だと思います

≪基礎的な人的控除≫

◇基礎控除
・対象者:本人
・本人の所得要件:合計所得2,500万円以下(2,400万円超から控除額が逓減)
控除額:最高48万円

◇配偶者控除
・対象者:生計を一にし、かつ合計所得が48万円以下の配偶者を有する者
・本人の所得要件:合計所得1,000万円以下(900万円超から控除額が逓減)
(1)一般(配偶者70歳未満) 控除額:最高38万円
(2)老人(配偶者70歳以上) 控除額:最高48万円

◇配偶者特別控除
・対象者:生計を一にし、かつ合計所得が48万円超133万円以下の配偶者を有する者
・本人の所得要件:合計所得1,000万円以下(900万円超から控除額が逓減)
控除額:最高38万円

◇扶養控除
・対象者:生計を一にし、かつ合計所得が48万円以下の親族等を有する者
・本人の所得要件:なし
(1)一般(扶養親族16歳以上19歳未満 or 23歳以上70歳未満) 控除額:38万円
(2)特定(扶養親族19歳以上23歳未満) 控除額:63万円
(3)老人(扶養親族70歳以上) 控除額:48万円
(4)同居老親等(直系尊属の老人扶養親族と同居) 控除額:58万円

≪特別な人的控除≫

◇障害者控除
・本人の所得要件:なし
(1)一般障害
・対象者:①障害者、②障害者の同一生計配偶者または扶養親族を有する者
控除額:27万円
(2)特別障害
・対象者:①特別障害者、②特別障害者の同一生計配偶者または扶養親族を有する者
控除額:40万円
(3)同居特別障害
・対象者:特別障害者の同一生計配偶者または扶養親族と同居を常況としている者
控除額:75万円

◇寡婦控除
・対象者:①夫と離婚し扶養親族を有する者、②夫と死別し婚姻をしていない者
・本人の所得要件:合計所得500万円以下
控除額:27万円

◇ひとり親控除
・対象者:現に婚姻をしておらず生計を一にする子(総所得等48万円以下)を有する者
・本人の所得要件:合計所得500万円以下
控除額:35万円

◇勤労学生控除
・対象者:本人が学校教育法に規定する学校の学生、生徒等である者
・本人の所得要件:合計所得75万円以下かつ給与所得等以外が10万円以下
控除額:27万円

この一覧を眺めてみると、控除額がそれぞれ異なるというのが、とても曲者だと気づくはずです

その違いはどこから来るのか、いくら調べてもよく分かりません

では、どうやって試験勉強を進めればよいのでしょうか

所得控除(人的控除)の覚え方

残念ながら、そこには規則性はなく、丸暗記するしかありません

調べれば、語呂合わせもあるかもしれませんが、法律は常に改正されるため、控除額も変化する可能性があります

したがって語呂合わせはお勧めしません

なんとかならないかと色々と調べていると、財務省のHPに良いイメージ図を見つけました

人的控除の概要を表すイメージ図(所得控除に関する資料ー財務省Webサイト)

この図を、頭の中にイメージのまま記憶させるのが良いと思います

基礎的な人的控除だけにはなりますが、これだけはしっかり覚えることにしましょう

そして特別な人的控除については、余裕があれば覚えるという程度で良いと思います

すべてを完璧に覚えるのではなく、細かい部分は無視して、メインとなるところだけを覚えていくというのが得策だと思います

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