マンションには多くの人が住んでいて共同生活を送っています
みんなに影響することを決めるためには、集会を開催して、その場で議論していくしくみになっています
その中でも、建替えをするかしないかなどは意見が分かれる内容であり、それを決着させるのはハードルが相当高いと思われます
そんな中でマンション管理組合の役員などを担うことになったら大変です
何とかスムーズに決議させる方法はないものか考えてみました
マンションの決め事には集会の決議が必要
区分所有法によれば、マンションでは管理組合が結成され、定期的に集会を開催して、様々な案件を決議していく必要があります
みんなに影響することを決めていくのですから、民主的なしくみになっているのは当然と言えば当然です
しかし、法律で規定されているとは思われていないのではないでしょうか
自主的な活動だと考えていて、ムリやり参加を求められている人は、面倒くさいなぁなどと感じているかもしれません
決議事項の種類と可決するための賛成数
集会で決議する内容は、その重要度に応じて、過半数の賛成が必要な普通決議と、それ以上の賛成数が必要な特別決議に区分されています
それを一覧表でまとめると以下のようになります
決議事項 | 決議基準 | |
普通決議 | ・収支決算報告と事業報告の承認 ・理事・幹事の選任又は解任 ・管理委託契約の変更・更新・解約 ・管理会社の変更決議 | 区分所有者および議決権の 各過半数による決議 |
特別決議 | ・管理規約の設定・変更・廃止 ・管理組合法人の成立 ・共用部分等の変更 ・大規模滅失における建物の復旧 ・専有部分の使用禁止の請求 ・区分所有権の競売の請求 ・占有者に対する引渡請求 | 区分所有者および議決権の 各3/4以上による決議 |
特別決議 | ・建物の建替え | 区分所有者および議決権の 各4/5以上による決議 |
建替えするためには80%以上の賛成が必要
マンションを建替えるには、区分所有者および議決権の各4/5以上による決議が必要です
簡単に言うと、住人の80%以上が賛成しないといけないということです
ハードル高いですよねぇ
何をやるにしても20%くらいの人は反対するものです
それが自分の家のような大きな財産についてなら、なおさら慎重に考える人は多くなるでしょう
日本のマンションが老朽化が進んでいても建替えが進まないのも理解できます
最近、要件の緩和の動きも出てきていますが、まだ法改正検討中であり、大幅な要件緩和も想定できないため、やはり建替えに向けては粘り強い話し合いが必要です
建替えをスムーズに決議させるための3つのポイント
① 時間をかけて合意形成する
② 賛成派となる味方を徐々に増やしていく
③ 専門知識や前例を活用して説得力を高める
① 時間をかけて合意形成する
自分たちが所有している大きな財産の話ですから、様々な意見があるのは当然です
それに対して拙速に議論を進めてしまっては、個々の気持ちを無視しているように感じさせ、反対派を増長させるばかりです
そこで、できる限り時間をかけて、個々の意見に耳を傾ける姿勢が必要だと思います
② 賛成派となる味方を徐々に増やしていく
最初から大多数の人が賛成派となることはないでしょう
まず少数の有志が集まり、建替えの必要性を個別に説明しながら、興味を持ってくれる人を徐々に増やしていきましょう
全員とはならなくても、まずは管理組合として検討を始められるように、味方となってくれる人を確保することが重要です
③ 専門知識や前例を活用して説得力を高める
賛成派を増やしていくためには、何といっても建替えの必要性に対して説得力のある訴えかけが必要です
そのためには、専門知識の習得や他のマンションの前例などを勉強しましょう
情熱だけでは人の心は動きません
他人同士なのですから
以上の3つのポイントを是非意識して、マンション建替えの検討を進めてみてはいかがでしょう
以上、ご参考までに
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