よく考えもせず、買ってしまったものってないですか
自分の意思で「しっかり」判断したのならやむを得ませんが、勧誘されたりして冷静な判断ができなかったとしたらどうでしょう
悔しいですよねぇ~
そんな時に役立つのがクーリング・オフです
ただの返品とは違います
色々と決まりがあり、それが問題のようにも感じます
知っておいて損はありませんので、一緒に勉強していきましょう
クーリング・オフの目的
自分自身の意思で、店で何かを買ったり、注文したりした場合は、お店との契約が成立しており、一方的にそれを解除することはできません
しかし、急に訪問販売を受けたり、勧誘の電話がかかってきたりした場合などに買ったものはどうでしょう
自分自身の意思と言い切れるでしょうか
考える余裕を与えられず、購入せざるを得ないという状況でも、契約は契約だとなってしまうと、消費者はとても不利な立場となってしまいます
こういう場合に、一旦契約した後であっても、再度考え直すことができるように、一定期間内であれば契約解除できるのがクーリング・オフという制度です
英語で言うと「cooling-off」ですから、頭を冷やす期間ということでしょう
クーリング・オフはあくまで消費者保護のための制度です
対象の取引
訪問販売 | 自宅など営業所以外で購入したもの |
電話勧誘販売 | 電話による勧誘行為により購入したもの |
訪問購入 | 自宅など営業所以外で買取りをしてもらったもの |
いずれも自らの意思で店に行くなどして契約したものではないため、消費者に不利な状況が想定されます
業務提供誘引販売取引 | 提供される仕事で収入を得るために必要とされるものを購入したもの |
これも自らの意思で選んだというより、購入せざるを得なかったものであり、消費者は不利な立場になります
連鎖販売取引 | 友人・知人などに紹介販売して利益を得る目的で購入したもの |
よく言うマルチ商法などが該当します
勧誘行為が激しかったり、巧みであったりしてトラブルをよく耳にします
断り切れない状況に消費者が追い込まれてしまうこともあるでしょう
特定継続的役務提供 | 一定期間に継続的に提供されるサービスのうち、特定の業種に該当するもの (エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、 パソコン教室、結婚相手紹介サービス) |
これらのサービスは自らの意思で申し込んだものだと思います
そういう意味では他の取引とは異なります
しかし、効果が確実でない割に、解約するためには高額な違約金の負担があり、解約が難しいことからトラブルが多かったようです
消費者が不利な状況を鑑み、クーリング・オフの適用対象となっています
2つの問題点
① 期限がある(いつまでに?)
② 手続きが必要(やり方は?)
1つ目の問題点はクーリング・オフには期限があるということです
訪問販売 電話勧誘販売 特定継続的役務提供 訪問購入 | 8日間 |
連鎖販売取引 業務提供誘引販売取引 | 20日間 |
この期限の起点は申し込み書面や契約書面を受け取った日です
8日間というとたった1週間です
ちょっと悩んでいるとすぐに過ぎてしまいます
失敗したなぁと悔やんでいる時ですから、もう少し時間の余裕が欲しいものです
2つ目の問題点は手続きが必要だということです
当然ですが、誰も代わりにやってくれません
書面またはメールで契約内容が分かるように通知をします
定型フォーマットはあるようですが、中身を見ると仰々しくて素人には腰が引けてしまいます
それでもやらなければ損をするだけです
FP試験で出題される事例
FP試験での出題が予想されるのは保険加入でしょう
出題のポイントは、その保険加入がクーリング・オフの対象となるか否かです
以下の内容に該当する場合は、対象外取引となります
✔ 店舗に出向いたり、場所を指定したり、ネットや通信販売での契約
(自らの意思で契約したことになる)
✔ 保険会社が指定した医師の診査を受けた後
✔ 法人名義(営業目的)の契約
✔ 保険期間が1年以内
✔ 更新契約の場合 などなど
ただし、クーリング・オフ制度が活用できなくても、ある一定額を負担すれば解約することはできます
一度契約すると絶対に抜けることができないというわけではありません
クーリング・オフに至らないのが一番
クーリング・オフはいざという時のための制度です
そんな制度を活用しなくても済むのが一番です
自分に知識がなければ、他人に聞くのは手っ取り早い方法であり、それはそれで当然の行動です
しかし、相手側からわざわざ説明してくるのは営業トークにしか過ぎません
そんな時は即答は避けましょう
それほど急がないと手に入らないようなものは、そもそもないと思えば気が楽です
とにかく時間を置いて考えることです
その時に第三者に相談できれば完璧です
意外でもあり冷静なアドバイスに、ハッとすることでしょう
とにかく急がない、一旦保留が重要です
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