成年後見制度は使えるしくみ?使えない?活用範囲は限定的です

F 相続・事業承継

歳をとってくると、頭も体も思うようには動かなくなるものです

あの手続きをどうしよう、この支払いは大丈夫だろうか、と心配事も増えてきます

そこでよく提案されるのが成年後見制度です

これは使えるしくみなのでしょうか?

知らないのが普通です

初耳の人も多いでしょう

そこで少し勉強してみました

使えるしくみなのか、使えないのか、そんな話です

初耳の人のために

誰のための制度なのか

認知症、知的障害、精神障害がある方は、契約関係や財産管理を一人で行うのは困難です

それらがうまく行えず、不利な立場になってしまうこともあるかもしれません

そういう方々を法的に保護するしくみが成年後見制度です

一人では行えないことを成年後見人がお手伝いすることになります

誰が役割を担うのか

では、誰が成年後見人になるのでしょうか

もちろん信頼できる人というのが前提ですが、親族の場合もあれば、福祉や法律の専門家という場合もあります

それが誰になるかは、対象となる人に見合った人を家庭裁判所が決めることになります

手続き

この制度を活用するためには、まず地域の相談窓口に行くことになります

例えば、地域包括支援センター、社会福祉協議会、市区町村の相談窓口などです

地域包括支援センターは、是非覚えておきたい窓口です

社会福祉士、司法書士、弁護士などに相談してもOKです

その後、家庭裁判所に申立を行うことになります

申立を行ってから、早ければ1~2ヶ月で制度利用開始となります

この制度は途中で止めることができません

したがって、利用するかどうかは慎重に判断する必要があります

2つの制度

成年後見制度には、法定後見制度任意後見制度という2つの制度があります

また、法定後見制度には本人の判断能力の程度に応じて、後見保佐補助の3つの制度が用意されています

法定(後見)法定(保佐)法定(補助)任意
誰が対象か多くの手続き・契約などを一人で行うことが難しい人重要な手続き・契約などを一人で行うことが心配な人重要な手続き・契約の中で一人で行うことに心配がある人将来のリスクに備えたい人
誰が担うのか家庭裁判所が選任した人(親族・専門家・第三者)自分で選んだ人
内容すべての契約等の代理・取消財産上の重要な契約等の同意・取消や代理一部の契約・手続き等の同意・取消や代理契約で定めた範囲内の代理(契約取消は不可)

判断能力が低下してから活用するのが法定後見制度であり、判断能力が低下する前に事前準備しておくのが任意後見制度というのが両者の違いです

成年後見人にやってもらえること/やってもらえないこと

成年後見人にやってもらえることは、療養・介護手続きの支援財産管理です

例えば,、入院の手続きや契約のお手伝い、介護サービスや施設入所の手続きや契約のお手伝いなどが療養・介護手続きの支援にあたります

また、年金の申請や受け取り、税金や保険料の支払い、預金の入出金、不動産管理などが財産管理にあたります

一方で、やってもらえないことは、家事代行(料理、掃除、洗濯など)日用品の買い物などです

また、話し相手になってもらうようなことも、それだけのためならNGです

成年後見人にやってもらえることは、契約のような難しい手続きが伴うものか、お金関係です

いずれも適切な判断に基づいて行わないと、後々影響が大きくなるものです

しかし、やってもらえないことは、日常生活をする上ですぐに困ってくることばかりです

成年後見制度の守備範囲は限定的です

日常生活を一人で行う自信がないなら介護サービスの利用がその選択肢です

こちらも地域包括支援センターに行くと相談にのってくれます

契約やお金関係は成年後見制度に日常生活関係は介護サービスに頼りましょう

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