連れ合いが亡くなり、収入源が細くなると、残された者の生活は不安になるものです
そこで頼りにしたいのが遺産ということになりますが、丸々もらえないとなると計画が狂ってきます
その原因となるのが相続税の支払いです
相続において配偶者の相続分は多くなりがちですから、税負担も大きくなり、計画が狂う度合いも比例して大きくなることが予想されます
そこで助けとなるのが配偶者の相続税額の軽減制度です
しかし、そこに落とし穴はないのでしょうか
この制度を活用するための注意点をまとめてみました
相続税の負担とはどれぐらいなのか
細かい計算はいろいろありますが、ざっくり言うと、相続税額は相続割合と相続税率でおおよそ分かります
特別な遺言がないなら、相続割合は法定相続人の法定相続分で決まってきます
配偶者は常に法定相続人となり、その法定相続分は他の法定相続人より多くなります
配偶者 | 子 | 父母 | 兄弟姉妹 | |
法定相続人 | 常に | 第1順位 | 第2順位 | 第3順位 |
法定相続分 | |
配偶者+子 | 配偶者 1/2 子 1/2 |
配偶者+父母 | 配偶者 2/3 父母 1/3 |
配偶者+兄弟姉妹 | 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4 |
相続した割合に応じて相続税の負担割合も決まってきますので、配偶者の相続税の負担割合はおのずと高くなるということです
相続税額の軽減制度
配偶者は、その相続財産の額が次のどちらか多い金額までは相続税がかかりません
✔️ 1億6,000万円
✔️ 配偶者の法定相続分相当額
法定相続分で相続している限り、相続税はかからないということです
たとえそれ以上に相続したとしても、1億6,000万円が上限なら、普通の人は相続税を負担する可能性は低いでしょう
相当な優遇制度となっています
被相続人が亡くなって、すぐに生活を続けるための保障でもあります
また、生前に協同して作ったであろう財産に相続税をかけるのはどうなのかという意味合いでしょう
制度活用のための注意点
この制度を活用するにあたり、ぜひ注意してほしいのは次の2点です
①相続税の申告書を提出
申告書を期限までに提出する必要があります
併せて配偶者の軽減制度を活用するための計算書なども必要です
②二次相続も意識する
配偶者にとっては大きな優遇制度であるため、相続財産を配偶者に偏らせて、全体の相続税を減らすことも可能です
しかし、その配偶者が亡くなると、その先の相続税負担は大きくなります
次は基礎控除が減ってしまう上に、配偶者の軽減制度は使えませんから
一次相続と二次相続の合計でどうなのかを考える必要があります
とは言え最大限の活用を
注意点があるというだけで、使わない手はありません
二次相続まで見据えた計算は難しいですが(専門家への相談要)、少なくとも法定相続分までは活用して良いでしょう
せっかくの優遇制度ですので、忘れずに活用しましょう
知らなかった、忘れていた、というのが最も悔やまれます
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