社会人になってから学び直しすることをリスキリングというらしい
何を新たに身につけるにしても、専門学校などに通うと結構な出費になります
人生の中で大切なこととはいえ、家計への影響は大きいものです
そんな時に助けになってくれるのが、教育訓練給付金制度です
雇用保険の仕組みの1つですが、あまり知られていないのではないでしょうか?
知っている人だけが得をするのではなく、多くの人にその概略を理解してもらえるように整理をしておきます
給付金の対象となる教育訓練には、そのレベルなどに応じて、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類あります
この中で、活用するにあたって最もハードルが低いと思われる一般教育訓練に関する給付金制度を中心に説明していきたいと思います
誰が対象者になるか
一般教育訓練の教育訓練給付金の支給対象者は、次の①または②のいずれかに該当する方であって、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を修了した方です
①雇用保険の被保険者
一般教育訓練の受講を開始した日において、雇用保険の被保険者である方のうち、支給要件期間が3年以上ある方
②雇用保険の被保険者であった方
受講開始日において、被保険者でない方のうち、被保険者資格を喪失した日以降、受講開始日までが1年以内であり、かつ支給要件期間が3年以上ある方
つまり、現役世代の人であれば、雇用されていた期間が3年以上あれば支給要件を満たすということになります
ここで支給要件のポイントはもう一つあります
過去に教育訓練給付金を受給したことがある場合は、その時の受講開始日より前の被保険者等であった期間は通算しません
このため、過去の受講開始日以降の支給要件期間が3年以上にならないと、新たな資格が得られないことになります
しかし言い換えれば、条件を満たせば、何度でも給付金を受けることができるということにもなります
この点が、この制度の最もお得感があるところであると思います
受給資格があるかどうかを判断するフロー図は以下の通りです
細かい点で難しい部分がありますので、実際はお住まいを管轄するハローワークで確認する必要があります
どのような教育訓練が対象となるのか
対象となる教育訓練は、全体で約14,000 講座程度あるそうです
一般教育訓練の場合は、英語系、簿記検定、ITパスポートなど、身近なスキルが身に付くものが含まれています
(専門実践教育訓練や特定一般教育訓練であれば、さらに専門性のあるスキルを身に付けるための講座が含まれています)
通学講座もあれば、通信講座などもあるようです
対象が多すぎるので一覧表にまとめることはできませんが、厚生労働省のウェブサイトにある教育訓練給付制度の検索システムを活用すると良いと思います
受講してみたいものがはっきりしている人は、その専門学校に行けば、この制度に関するパンフレットがほとんど置いてあると思います
いくら給付されるのか
一般教育訓練の場合は、教育訓練経費、つまり受講料の20%相当額が10万円を限度として支給されます
例えば、
25万円の教育訓練を受けた場合 ⇒25万円✕20%=5万円
70万円の教育訓練を受けた場合 ⇒70万円✕20%=14万円>10万円 ⇒限度額の10万円
教育訓練を受講した本人が受講終了後、必要書類をハローワークに提出し、後日振り込みにより支給されることになります
手続きは面倒なんです
この制度はとても素晴らしいものであると思うのですが、唯一の欠点は手続きが面倒であるということです
支給までの手続きをまとめると以下のようになります
このフロー図でもわかるように、この制度を活用したい人は、自分の住まいを管轄するハローワークに2回通う必要があります
土曜日でも一部開庁しているところもあるようですが、全てではありません
平日に行くとなると、現役世代であれば、2回の有給休暇を取得する必要があります
しかも平日とはいえ、ハローワークは意外に混雑しています
特に職を求めて集まっている人が多いので、教育訓練給付金の申請のために時間を割いてていただくのは申し訳ない気持ちにもなります
紙の申請書での手続きが中心であり、もう少しデジタル化が進められていても良いのではないか感じます
このように支給を受けるためには、いくつかの苦労はありますが、それだけの見返りがあるので、ぜひ活用すべき制度であると思います
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