医療費控除による還付金にお得感はなし、苦労と成果は不釣り合い

D タックスプランニング

歳をとったせいなのか、それとも心配性なのか、頻繁に病院に通っています

そのせいで年末になると、領収証を集計して、医療費控除のために確定申告に備えるのが毎年の恒例行事となっています

しかしその還付税額には、いつもショックを受けるのです

少ない、本当に少ない

この仕組みは得をするためのものではありません

国が気を利かせて、少しでも負担を減らしてあげようという仕組みですからやむを得ないのですが、それにしても・・・

どれほどのものなのか、具体的に勉強していきましょう

控除の範囲

◇医療費控除を受けることができる対象者は誰か

対象となる医療費の要件として、納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であることと、国税庁のWebサイトには記載されています

つまり、自分自身だけではないということです

自分と同じ生計で暮らす家族の医療費を支払ったとしても、医療費控除を受けることができます

同居している配偶者子供だけではなく、一人暮らしをしている大学生の子供の医療費であったり、子供から仕送りをもらい生活している親なども対象となります

ある意味、家族中の医療費の領収証を集めるべきということです


◇いつの医療費が集計できるのか

その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であり、未払いの医療費については、現実に支払った年の医療費控除の対象となります


◇医療費控除の対象とできるのはどこまでか

主なものは、医師による診療または治療の対価と、治療または療養に必要な医薬品の購入の対価ということになります

それ以外にも、入院時の部屋代や食事代、あるいは治療に必要なコルセットや松葉杖なども含まれます

また、通院時の交通費についても公共交通機関を利用した場合であれば控除の対象になります

対象
診療・治療
・療養費
◇医師、歯科医師による診療または治療費用
◇子供の成長を阻害しないための不正咬合の歯列矯正費用
◇視力回復レーザー手術(レーシック手術)費用
◇あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術費用
(治療に関係ないものは含まず)
◇人間ドックや健康診断の費用
(その後、重大な疾病が発見され、その治療に先立って行われる診察と判断された場合)

◇療養上必要な差額ベッド代
◇出産費用(妊娠と診断されてからの定期健診や検査の費用)
交通費◇通院にかかる交通費(公共交通機関)
◇通院時のタクシー代(公共交通機関が利用できない場合)
器具・医薬品
◇治療のために直接必要な義手、義足、松葉杖、義歯や眼鏡等の購入代金
◇治療または療養に必要な医薬品の購入費用
その他◇保健師、看護師、准看護師、特に依頼した人による療養上の世話にかかる費用
◇6ヶ月以上の寝たきりの人のおむつ代(医師が発行した証明書が必要)
対象外
診療・治療
・療養費
◇美容整形の費用
◇美容のための歯列矯正費用
◇疲れを癒したり、体調を整えたりといった治療に直接関係ない施術費用       
◇疾病の発見がなかった場合の人間ドックや健康診断費用
◇本人や家族都合による差額ベッド代

◇入院時の寝巻きや洗面具など身の回り品の購入代金
交通費◇自家用車で通院した場合のガソリン代、駐車場代
◇通院時のタクシー代
◇出産のための里帰り費用
器具・医薬品
◇治療に直接寄与しない近視や遠視のための眼鏡や補聴器等の購入代金
◇ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のための医薬品の購入代金
その他◇親族に支払う療養上の世話にかかる謝礼金

控除額の計算方法

医療費控除の金額は、次の算式により計算され、上限額が200万円となっています

(実際に支払った医療費の合計額 ー 保険金等で補填された金額)ー 10万円

注)
保険金などで補填される金額とは、生命保険契約等で支給される入院費給付金や健康保険等で支給される高額療養費、家族療養費、出産育児一時金などがそれにあたります

注)
10万円については、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額となります

この計算結果をどう思いますか

2021年分として確定申告した医療費控除の額をまとめると以下のようになります

誰の医療費か支払先医療費区分支払額
本人〇〇クリニックほか診療・治療55,540円
本人△△薬局ほか医薬品購入25,300円
配偶者〇〇クリニックほか診療・治療12,040円
配偶者△△薬局ほか医薬品購入11,220円
〇〇クリニックほか診療・治療6,600円
△△薬局ほか医薬品購入1,680円
112,380円

≪控除額の計算≫
(112,380円 ー 0円)ー 100,000円 = 12,380円

この控除額から、おおよその節税額を計算すると以下のようになります

≪節税額の計算≫
12,380円 ✕ 33%(所得税率)= 4,085円

医療費控除額のエビデンスとなる領収証は全部で102枚ありました

この領収証を1年間を通じて集め続け、大事に保管しておきました

さらに確定申告の方法をYouTubeなどで勉強して、やっとの思いで確定申告を完了しました

結果として節税できたのは約4,000円です

さてこの結果をどう思いますか

苦労と成果が釣り合っているでしょうか

ギリギリの生活をしていれば、それでも大切なことに思えるのでしょうか

そもそもギリギリの生活の人は、こんなに病院には行きません

どこかおかしな仕組みに思えてしまいます

安心して医療を受けることができるようにしたいなら、医療費を支払うタイミングで恩恵を受けることができる仕組みを、さらに充実させてほしいものです

P.S.
「年間医療費のお知らせ」を健康組合から受け取っていますが、うまく活用できていません

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