ある一定の財産を残したまま亡くなると、遺産相続というものが発生します
その時、相続する人が1人ではなく複数人いると何かと大変です
もともとは被相続人となる人の財産だったわけですから、その人の意思が反映されれば良いものです
しかし、その人は相続手続きの段階ではもう居ません
だから、被相続人と相続人、そして相続人間の思いがぶつかり合うことにもなるのです
財産を分けるというのは大変な作業です
その遺産分割の方法の1つに代償分割というものがあります
ちょっと特殊な方法です
うまくやらないと後々問題が発生しそうです
絶対に押さえておきたいポイントを知っておきましょう
遺産の分割方法
遺産の分割方法は大きく分けて4つあります
✔ 現物分割
✔ 共有分割
✔ 換価分割
✔ 代償分割
財産を1つずつ、この土地と建物は妻のもの、この預金は長男のもの、この株式は長女のものという具合に分けるのが現物分割です
このように1つずつきれいに分けることが難しいために、共有名義で相続することにするのが共有分割です
不動産などはその典型です
また、財産を売却してお金に換えてから分けるのが換価分割です
そして、誰かにまとめて相続させて、その人が他の人に代償金を支払うのが代償分割ということになります
こういうケースは代償分割で
代償分割が利用されるケースはこんな感じです
① 財産をそのまま残したい
② 財産を複数人で分けたくない
③ 財産がほとんど1つしかない
財産をそのまま残したいなら、お金に換えてしまう換価分割はNGです
財産を複数人で分けてしまう共有分割もNGです
現物分割にしたとしても、他に財産がなければ分けようがありません
しかし、代償分割するためには、財産を相続する人が代償金を用意できないといけません
こんな問題が発生しそう
まず考えられる問題は、後々相続人間で代償金をいくらにするのか揉めるということです
代償分割の対象はお金ではありません
お金ではないものを金額換算しようとすると、適正さが求められます
鑑定人に依頼したとしても、代償金をもらう側が納得するとは限りません
もう一つ考えられるのが、代償金が贈与にならないかということです
対象の財産はある人が相続します
そこで話が終わったと思えば、その後のお金のやりとりは贈与になって、贈与税の負担が発生するのではないかという問題です
問題が発生する前にやっておくこと
何といっても、しっかりとしたエビデンスを残しておくことです
そのためのツールが遺産分割協議書です
どの財産が代償分割の対象なのか、その財産は誰が相続するのか、代償金は誰が誰にいつまでにいくら支払うのか、こういった内容が明示されている必要があります
そうすることによって効力を発して、贈与ではないことも明らかになり、後から文句も言いづらくなるでしょう
この手続きがとても重要です
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